高校生の頃、詐欺師になりたかった

「職業、詐欺師…」クロサギの台詞である。

 

昔、詐欺師になりたかった時期があった。

クロサギの山Pに憧れてではなく、言葉へのこだわりから。

 

高校生の頃の自分は、人の人生相談に乗ることが好きだった。

悩んでいる同級生の話を聞き、寄り添い、言葉でアプローチする。

前を向いてもらうことができたら、とても幸せだった。

介在しているのは言葉だけ。

 

言葉だけで戦うという点で、詐欺師にも憧れた。

「詐欺師 なり方」

「詐欺師 年収」

といった検索をしたことも覚えている。

 

あきらめた理由は簡単で、捕まるから。

家族が不幸せになるから。

 

子どもからしたら、父親が詐欺師って嫌だろうな、と思う。